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2010年8月 8日 (日)

すばらしい

すばらしい

大腸癌が肝臓、肺に転移。

抗がん剤治療を続けている父。

富士の家で静養しながら、調子のいいときは起きて来て孫と遊んでくれた。

かつて幼いわたしのために買ってくれたラジコンカーを引っ張り出し、いろいろメンテナンス。操作方法を孫に伝授。

喜ぶとしくんを目を細めて見つめる。

わたしには、事あるごとに、家の大事な書類はここ、業者とやりとりした記録はこのファイル、故障したときはどうすればよいかなど説明してまわる。

父が昔からよく言う言葉は、“すばらしい”。

それは今でも変わらない。

としくんが屁理屈を言っても、「機転がきいて、すばらしい」。

としくんが我が儘を言っても、「意思が固くて、すばらしい」。

わたしが愚痴をこぼしても、「頑張っている証拠だ。すばらしい」。

よしくんが泣き止まなくても、「元気に育っていて、すばらしい」。

…すばらしい娘がいるから安心だ。いつ死んでも…

なにいってるの。

まだまだ、わたしは未熟者。

わからないことだらけ。

全然すばらしくない。できない。力不足。

わたしは必死に “だめな自分” をアピールする。

今だってすごく頑張っているから、さらに頑張る必要はないけれど、

まだまだお願いだから生きていて。

生きる気力を持っていて。

安心なんかしないで。

まだわたしにいろいろ託さないで。

「この一週間ありがとうね!! 楽しかったよ」

富士の家を去る今日、笑顔で何度も両親に手を振ってお礼を言いながら、わたしは心のなかで必死に叫ぶ。

まだまだ、わたしのすばらしいお父さんで居続けて

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