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2010年8月16日 (月)

ニックネーム

ニックネーム

としくんが夏休みに参加した青空学校

異年齢、異学年の子ども同士が協力しあって活動する。

活動のなかで学年や年齢を気にしたり上下関係を意識して萎縮したりしないように、初参加の子どもたちはまず初めにキャンプ中に呼び合う“ニックネーム”を決める。

スタッフも指導員もみんなニックネームがあり、そのニックネームで呼び合う。

確かに、「○○さん」ではなく例えば「ペンペン」と呼ぶだけで、親近感と仲間意識が増すから不思議。ニックネームの由来など、相手への興味関心もわいて声もかけやすくなる。

このニックネーム、本人が呼ばれたい名前を自己申告するのかと思ったらそうではなく、質問の回答をもとにチームみんなで考えて命名するのだとか。

かくして、としくんにも産まれて初めて“ニックネーム”がつき、本人もかなりその名前を気に入り、ご満悦な様子。

このニックネームを決める“イベント”のおかげで、チームのみんなとも自然にコミュニケーションでき、共通の話題を見つけては盛り上がり、どんどん親しくなっていく。“ニックネーム”にはこんな効用もあるとは!

青空学校から帰宅したとしくんに、
「すてきなニックネームがついて良かったね。お母さんもニックネームを付けてほしくなったよ」
と話しかける。

としくんは、大きく頷きながら、
「じゃあ、ぼくと一緒にお母さんのニックネームを考えようか。ニックネームを付けるのには、やり方があるんだよ」
と、おもむろに紙とえんぴつを取り出す。

「ぼくが質問するから答えてね」

そう言うと、としくんは次々と私に質問していく。

「お母さんの好きな花は?」

「うー…、えーと…、サルスベリなんか好きだなあ」
と少し照れながら私が答えると、

「あまり悩まずパッパッと答えて! サルスベリは木だからダメ」
と、としくん。

初っ端からダメだしされて、私は少々動揺。

「あ、そうなの? じゃあ、サクラ」

「お母さん、サクラも木だからダメ!」

「あー、はいはい。ごめんなさい」

厳しいとしくんに、謝りつつ、どうして木の花はダメなの〜と小声で抵抗しながら、

「じゃあ、チューリップ!」
と答える。

「はい。チューリップですね」

とたんに口調がやわらかくなる、としくん(笑)。

「『ちゅ』って、どうやって書くんだっけ?」
と言いながら紙に回答を書き記す。

そうして、何度かダメだしされながら、私の好きなものリストが出来上がっていく。

好きな花 → チューリップ

好きな色 → みどり

好きな動物 → いぬ

好きな果物 → めろん

好きな遊び → たっきゅう

好きな本 → ひみつのはなぞの(フランシス・ホジソン・バーネット作)

好きなキャラクター → ムーミン

好きな歌 → 世界に一つだけの花

好きな食べ物 → ハンバーグ

好きな野菜 → トマト

としくんは真面目に質問し続けながら、時には私の答えに、
「それはどうして? どういうところが?」
などとも聞いてくるから気が抜けない。

こんなふうに息子に質問されたことも答えたこともないし、真剣に聞かれるからボケて笑いをとる雰囲気とも程遠く、私はひたすら真面目に、そしてちょっと照れながら、回答を続ける。

30分くらい経って、
「こんなものかな」
と、としくんが質問を終えると、思わずホッと一息。
「ありがとうね」
とお礼の言葉が出る(笑)。

としくんは安堵した私の顔を一瞥すると、まだまだ序の口と言わんばかり、鋭く次にすべきことを指示。

「お母さん、次は紙に書かれた言葉をよく見ながら、言葉を組み合わせたり、一部だけ言葉を抜き出したりして、ニックネームっぽい名前をたくさん考えるよ」

え? どういうこと?

「『ムーミン』と『たっきゅう』で、『むーみんた』!」

戸惑う私に見本を示すとしくん。

そうして、

むーみんた、きゅうりっぷ、むーん、みどりいぬ、ちゅういぬ、めろりっぷ……

など、次々に生まれる私のニックネーム候補。

10分くらい経って、
「こんなものかな」
と、としくん。次は何をどうするの? と、すっかり次の展開が楽しみになった私。

としくんに指示されるまま、次は挙げたニックネーム候補を一つひとつ、「好き」か「いまいち」か感想を言い、としくんの感想も合わせながら、絞り込んでいく。

かくして、残ったのは

としくんイチ押しの“ちゅういぬ”と、私が気に入った“むーん”。

としくんは、二つの決め切れないニックネーム候補を前にしても困った顔ひとつしない。

「なぜ、そのニックネームがいいのか理由を言って、理由が多い方に決めるからね」

堂々とした口ぶりで、次にすべきことを示す。

無難に“むーん”にしたかっただけの私は、なぜそれにしたいのかと問われ、無理矢理3つの理由をひねり出す。

としくんも、“ちゅういぬ”にしたい理由をなんと3つ挙げ、両者一歩も譲らず(笑)。

…ということで最後はウルトラCの解決策。二つの名前を合体することに。

としくん、ようやく決まった私のニックネームを、ノートに大きく書き記し、

「発表します!
 ジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカ…ジャン!
 “むーちゅいぬ”!」

と効果音付きの大声で発表。

そして、

「もう一度言うので、呼ばれた人は大きな声で返事してください」

と拍手をしていた私を見つめる。

「むーちゅいぬ!」

「はい」

うーん、せっかくニックネームが付いたのだけれど、何だかビミョーな気分(笑)。

「むーちゅいぬ、喉かわいた。お水持ってきて〜」

“大役”を果たしたとしくんは、いつものとしくんに戻り、私にいつものように話しかけてくる。

「お母さん、喉かわいた。お水持ってきて〜」

だと、まったく違和感を感じないのに、“むーちゅいぬ”と呼ばれると、なぜだかビミョーな気分に……

“ニックネーム”は奥が深い…

ニックネーム

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コメント

ニックネームのつけ方すらゲーム化するのは、おもしろいね。
>「なぜ、そのニックネームがいいのか理由を言って、理由が多い方に決めるからね」
とくにこのくだりは最高! ルールを決めて、選ぶ。子どもが喜ぶ方法をうまく取り入れてるなあと感心することしきりです。

われわれは、「呼ばれたい名前」をニックネームにする文化に生きている(笑)ので、カルチャーショックでした。

投稿: negi_chang | 2010年8月18日 (水) 19:03

これは面白い、うらやましい、むーちゅいぬさん、これまであだ名ナシに坊ちゃんかして~!戒名が付く前にぜひひとつ!

投稿: Yukiko | 2010年8月19日 (木) 23:54

negi_changさん、コメントありがとう〜。
本当に、目が丸くなったり点になったり細くなったり三角になったりする毎日です…f^_^;。

投稿: tete | 2010年8月23日 (月) 21:29

Yukikoさん、こんにちは!
戒名と来ましたか!意外な言葉が目に飛び込んでドキッとしました〜f^_^;。
いつもYukikoさんのVoiceは薔薇の香りのようにすみずみまで響いて心地よいので、“ローズ”なんていかがでしょうか(≧ω≦)/

投稿: tete | 2010年8月23日 (月) 21:37

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