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2015年6月19日 (金)

先月読んだ本

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仕事で使えそうな本を探して、日々本難民。


自分の好み優先で選ぶ読書本と、子どもたちに提供する教材として選ぶ本は、やはりちょっと違う。


何より使える範囲が一冊の中のほんの数ページ。
本一冊丸ごと読んでこそ魅力的な本もあれば、切り取った部分の内容は素晴らしくても全体的にはぼやけてしまう本もある。


ほかにもいろいろ制約があって、これぞ!という本に出会えるまでは何をしていても落ち着かない。


そんなこんなで先月読んだ本。


『エヴリシング・フロウズ』
津村 記久子作(文藝春秋)

こちらは、友人が「懐かしい思いに浸れるよ~」とお勧めしていた本。
確かに中学生である登場人物たちの繊細な気持ちがリアルに、丁寧に、そして淡々と描かれていて、まるで映画を観ていたかのような読後感。
どうでもいいようなことに胸を痛めていた当時がよみがえり、切なさや愛おしさも込み上げてくるような一冊。


『世界地図の下書き』
朝井リョウ作(集英社)

様々な事情を抱えた小学生の子どもたちが主人公。主な舞台は児童養護施設。
子どもたちの置かれた状況は一般的ではないけれど、誰もが思い当たる普遍的なテーマが描かれていて、結局はみんなひとりぼっちで生きているんだ、ということが、なぜかエールとして胸に響く作品。

『僕らが死体を拾うわけ―僕と僕らの博物誌』
  盛口 満著(どうぶつ社)

とてもエネルギッシュな本。読み進めながら、へー、ほほー、なぬ~っ!?などと、心の中でたくさんつぶやいてしまう。
ちょっと変わった生物の先生と、好奇心旺盛な生徒たちと一緒になって探究している気分も味わえる。イラストも味があってすごくいい。


『今を生きるための哲学的思考』
黒崎政男著(日本実業出版社)

つまり、これまでの「上から下へ」、「少数が多数を教える」といった教育のあり方が、ICTの導入によって変わっていくであろうということ。
読んだのは一部ではあったけれど、ネット上の「私」と、現実の「私」との境界線も考えさせられる興味深い内容だった。

「広尾学園のICTカンファレンス ~パネルディスカッション編~」の記事はコチラ →


『「本当の国語力」が驚くほど伸びる本』
福嶋隆史著(大和出版)

この本は、「本当の国語力?」「驚くほど伸びる?」ってどういうこと? と手を伸ばす。
書かれていたことは非常にシンプルで、「何を読むか」が大切なのではなく「どう読むか」が大切だとか、「国語力」とは「論理的思考力」のことだとか、そうそう、と頷きながら読み進める。
新しい発見ではなく、ふだん心がけていることの再確認ができた一冊。


『ダンゴムシに心はあるのか』
森山 徹著(PHP研究所)

久しぶりに知的好奇心が大きく揺さぶられた本。あのくるりんと丸まるダンゴムシに「心」があるのか、というタイトルからして面白い。
「心」と言うと、自分は嬉しいとか悲しいとかの心情を思い浮かべるけれど、この著者は「通常の行動が取れないような未知の状況に遭遇した時、当人も予想だにしなかった行動を取らせるのが『心』の働き」と定義する。実際、ダンゴムシを未知の状況に遭遇させる実験を行うと、確かにダンゴムシに「心」があると言える結果に。
後半は学術的な高度な内容で読み飛ばしながらの拾い読みになってしまったけれど、筆者の新しいものの見方と、それを検証した実験はとても興味をそそられる。もう一回読み直そうかな……。


『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― 』
菅谷 明子著(岩波新書)

2003年に出版された本にも関わらず、これからの時代に図書館の果たすべき役割が示されていて、まさに「未来をつくる」ための指南書として参考になる。
書かれている事例は、ニューヨークの公共図書館のことが中心で、市民が主役、図書館はサポート役というスタンスが明確。図書館の有する「情報」を有意義に活用してもらうことで、能動的な思考のできる市民を育むこと、それが図書館の使命なのだという矜恃がよく伝わってきた。
日本における図書館の利用価値とその意義についても深く考えさせられた一冊。


『アルケミスト―夢を旅した少年』
パウロ コエーリョ作(角川書店)

1997年に出版された世界的なベストセラー。物語の形をとった自己啓発本。
すごく良かったと感想を書いている人がいたので手に取ってみたけれど、私はそれほど「啓発」されなかったかな……。
今が内面的に「波乱万丈」なので、主人公のサンチャゴのような冒険よりも、穏やかな当たり前の日常が続く幸せの方を欲しているのかも ^_^;。



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