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2015年7月20日 (月)

6月に読んだ本






前回(→)に引き続き、6月に読んだ本。





『ハケンアニメ!』
辻村 美月作(マガジンハウス)


タイトルに「アニメ」と書かれているけれど、漫画ではなく物語。
仕事をする人の内側が丁寧に描かれていて一気に読んでしまう。
こんな熱い思いで自分自身も仕事をしたいし、同じ志を持つ仲間とも仕事したい、と思える一冊。
ちなみにタイトルの「ハケン」とは「派遣」ではないところもポイント。
※2015年本屋大賞第3位



『うたうとは小さないのちひろいあげ』
村上しいこ作(講談社)


短歌を題材に高校生たちの人間関係や心情の機微がていねいに描かれていて、最初から引き込まれる。
一度生まれた不信感や相手との溝を乗り越えるのは現実的にはむずかしいこともあるけれど、「短歌」という素材を用いながら、登場の心情の移り変わりに寄り添うようなストーリーが展開されていて、読後感が爽やかで心地よい。
また、物語に出てくる高校生たちが作った「短歌」が、推敲されるごとに良くなっていくプロセスも「言葉」がどのように磨かれ、輝きを増していくのかということがわかって面白い!



『億男』
川村 元気作(マガジンハウス)


宝くじで3億円当てた男性の話で、人間の欲というものに向き合う内容。
前評判は高かったけれど、私には目新しさを感じるところは特になく、物足りなさを感じた一冊 >_< 。
※2015年本屋大賞第10位




『長田弘詩集 はじめに……』
長田 弘作(岩崎書店)


今年5月に、75歳でお亡くなりになった長田弘さん。
長年読売新聞の「こどもの詩」の選者を務められていたから、新聞を開くたびに、今回はどんな詩が載っているのだろう、どんなコメントが添えられているのだろうと楽しみだったことを思い出す。
長田弘さんの文章は、私立中学入試問題にもよく出される。詩よりも、論説文、随筆、説明文などのジャンルの著者として。
この詩集を改めて読んで感じるのは、長田弘さんの眼差しが、日常にとことん向けられているということ。
圧巻なのは、「戦争がくれなかったもの」というタイトルの詩。
今だからこそ、多くの人に読んでもらいたい。

抜粋して一部紹介すると、

「『……焼のり、焼塩、舐め味噌、辛子漬、鯛でんぶ、牛肉大和煮、
 ビスケット、バタボール、白チョコレート、コーヒーシロップ、
 ミルク、マーマレード、タピオカ、クラッカー、レモネード、
 紅梅焼、人形焼、人形町のぶつきりあめ屋の飴、草餅、
 小倉羊羹、砂糖漬けの果物、干菓子、干物類、黒豆』
 戦争にいった男の遺した、戦争がくれなかったもののリスト。」




『生活安全課0係 ファイヤーボール』
富樫 倫太郎作(祥伝社)


この本は、仕事ではなく好みで手に取った本。
登場人物のキャラクターと謎解きの妙が楽しめた。一気に読んで寝不足になった本。




『目の見えない人は世界をどう見ているのか』
伊藤 亜紗著(光文社新書)

帯にあった「『見る』ことそのものを問い直す、新しい身体論」や、「<見えない>ことは欠落ではなく、脳の内部に新しい扉が開かれること」という言葉がそのまま内容を端的に表していた。
たとえば、文章の中に大岡山駅で待ち合わせて目的地に行くまでのエピソードがある。目の見えない木下さんと一緒に目的地までの緩やかな坂道を歩いていた筆者は、「大岡山はやっぱり山で、いまその斜面をおりているんですね」と木下さんに言われて驚く。
これまで全くその認識がなかったからだ。筆者は気づく。確かに、大岡山の南半分は駅の改札を「頂上」とするお椀をふせたような地形をしていて、目的地はその「ふもと」に位置していることに。

見える人が、ふだん行き慣れている道に、俯瞰的で三次元的なイメージは持てないのは、見える人の頭の中は、道中の様々な看板や人の波など、「視覚的な注意をさらっていくめまぐるしい情報の洪水」にさらされていて、「頭の中に余裕(スペース)がない」からなのだ。

そんな筆者の驚きや新たに認識したことが随所に書かれていて、自分自身への気づきも多くあった一冊。



『登山と日本人 』
小泉 武栄作(角川ソフィア文庫)


2001年に書かれた文章が修正、加筆されて文庫化された本。内容的には今の「登山事情」とは違っている点もあると思うけれど、これからも登山を楽しんでほしい、自然を守るためにマラソンのように山を走るトレイルランニングはやめた方がいいなど、山を自然を愛する筆者の思いがひしひしと伝わってきた一冊。










今月も時間の隙間に読書いろいろ。







読んだ感想は、また来月 (^^) 。

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