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2015年11月11日 (水)

散髪セット


長く伸び、気になっていたとしくんの髪。



ようやく切ることを承諾してくれたので、いそいそと「散髪セット」を取り出す。









箱のラベルには懐かしい父の文字。



私の記憶にある限り、一度も床屋に行ったことがない父。髪を切るのは、いつも母の役目だった。



その時の「散髪セット」が未だに重宝するだなんて。



床屋、美容院を嫌がるとしくんは、髪を切らせないどころか、以前は家以外の場所では、室内でも帽子をなかなか脱ごうとしなかった。



としくんにとって、髪や帽子は、自分の身を守るある意味「鎧」。でも今年に入って、帽子を手放せるようになってきた。



そんな息子の変化を嬉しく思いつつ、いざ散髪。











私の前でありのままの姿をさらけ出してくれている息子が愛おしくて、期待に応えたくて、無料動画サイトでヘアカットのやり方をこれまでに何度か視聴したものの、やはり見るとやるのとでは大違い。



四苦八苦しながらチョキチョキチョキ。



まあ、なんとかうまくいったと安堵しながら、終わったよと声をかける。



さっぱりしたはずのとしくんが、お風呂の鏡の前で、こんなに切るなんてヒドイと私をにらんで責める。



としくんの苛立ちは不安によるものだと頭でわかっていても、面と向かって責められると心中穏やかでいられなかったけれど、



毎度お馴染みのそんな反応にもだいぶ慣れ、ごめんごめんと言いながら、そそくさ「散髪セット」を片付ける。



とはいえ、たまにはきちんと片付けようと箱の中を整理すると、底から出てきたのは昔の新聞の記事。









記事のタイトルは、「幼児の散髪」。









父の形見だと思っていたら、元は私自身の「散髪セット」だったと、ようやく気づく。



何十年も昔の昭和の記事に初めてしげしげ目を通していたら、お風呂から上がったとしくんの「さっきはごめん。髪を切ってくれてありがとう」の声。



はーい、どういたしまして、と軽く答えて、心の中で私も天国の父に感謝の言葉。




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