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2015年12月の5件の記事

2015年12月22日 (火)

この秋読んで、オススメの本 その3





◆『アラスカ物語』新田 次郎(新潮文庫)

最初の圧倒的なオローラの描写から引き込まれ、起伏に富んだストーリーが幕を下ろした後もしばらく余韻にも浸れる重厚な物語。



様々な場面が強烈な印象を残すストーリーと同じく、大変興味をそそられたのは、実在した主人公「フランク安田」の生き様や人柄、そしてその主人公を見事に描ききった作者、新田次郎その人。



昭和49年に刊行されたにも関わらず、今でも新鮮に読め、胸が打たれる。



こんなに面白いとは思わなかったという想定外の感慨に浸れた一冊。








◆『鹿王』上橋 菜穂子(角川書店)

上橋菜穂子さんの「精霊の守り人」シリーズや『獣の奏者』に続く最新刊。



これまでの作品が本当に素晴らしかったから、書店にこの『鹿王』が並ぶと、いやがうえにも期待が高まる一方で、その期待が裏切られたくないという思いもあって、しばらく手に取らず。



読みたいけど読みたくないという変なジレンマを抱えて悶えていた矢先、お互いのオススメ本の貸し借りをする仲(こういう仲を「本友(ほんとも)」と呼ぶらしいけれど)の印刷業者Aさんが、「すごく良かったですよー!!!」と持って来てくれる。



やれありがたし。しかし、Aさんが、「読むなら一気読みできる時がいいですよ」というので、まとまった時間が取れるまでジリジリしながらしばしお預け。



で、ついに遠出する機会に電車の中で読み始め……、寝る時間も惜しんで二日で読破。



物語なのに、人の業、政(まつりごと)、医術、人生についての良質な専門書を読んだような不思議な読後感。



はあ、やはり素晴らしかった……。



そして、Aさんには前述の『アラスカ物語』を貸し出し中(^^)。










◆『キャロリング』有川 浩(幻冬舎)

これほど、詳しくあらすじを書きたくない、人に言いたくないと思えたことはない一冊。



読書の醍醐味を味わえたというか、本を読むって、こういうことがあるから止められないとつくづく思えた本。



この本も友人が読んでみて、と貸してくれた本で、そういう出会いをもたらしてくれる友人にも心から感謝。



オススメです(^^)。














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2015年12月17日 (木)

この秋読んで、オススメの本 その2





◆『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』万城目 学(角川文庫)


超面白い!と膝を打つエピソードが複数あり、誰かに話したいけれど(内容的に)話せないジレンマが味わえる楽しい一冊。


中学入試問題にも出されている本だけれど、さすがにあのエピソード部分は使われていないだろうなと思い調べてみたら、案の定。


きっと子どもたちも読んだら楽しいだろうし、盛り上がること請け合いのエピソードだけれど、やはりテストには出しにくいよねえ、と一人合点がいく。


面白いだけでなく、しっとりしたストーリーも味わえる、なかなか秀逸な一冊。








◆『我が家のヒミツ』奥田 英朗(集英社)


家族にまつわる6編の話が収められている本。


特に印象深かったのは、肉親を亡くし、遺された側の話が載っていた「手紙に乗せて」。


それから、個人の視点と夫としての視点が味わい深く描かれていた「妻と選挙」。


「誰にでも人生があるし、バックグラウンドがあるし、血のつながりがあるってこと」という台詞が身にしみた「正雄の秋」も心地よさのある読後感だった。


『我が家のヒミツ』というタイトルからは、ドラマティックでスキャンダラスな展開をイメージする人もいるかもしれないけれど、そういうものではなく、だれにでも訪れるような日常の中、あるいは日常の延長上の「ヒミツ」が楽しめる一冊。








◆『闘う君の唄を』中山 七里(朝日新聞出版)


私が、面白くてグイグイ読み進めることができたのは、後半の「えっ、そうだったの!?」というエピソードまで。


それまでは熱血な主人公に思い入れと共感ができていただけに、ちょっと残念。


主人公の真の思いや使命感には寄り添えても、後半のエピソードは受け入れがたいなあと何だか無念さを抱えつつ読み終えた一冊。








◆『ぼくがバイオリンを弾く理由』西村 すぐり(ポプラ社)


少しだけピアノをたしなむ身として、真に才能がある人には、音楽の世界がそういう風に見えているのか、という驚きが味わえた本。


才能は個人のものだけれど、周りとの関わりや環境も大事な要素であるということに気付かされる。


少年の挫折と周りの支援と本人の成長が描かれる、まさに青春の王道のような内容で、安心して爽やかな読後感に浸れる一冊。




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2015年12月16日 (水)

この秋読んで、オススメの本 その1

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◆『金融探偵』 池井戸 潤著 (徳間文庫)




ちょっとしたお金の流れから、人の考えや暮らしぶりを読み取る。



意識しないと何とも思わないことも、見る目があればいろいろ読み解ける面白さを堪能した一冊。


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◆『樹木ハカセになろう』 石井 誠治著 (岩波ジュニア新書)


樹木へのリスペクトと愛と関心の高さが随所に感じられる本。


特に興味深かったのは、「はじめに」の部分に書かれた内容。


春になると目を楽しませてくれるサクラ。でも、花が終わると、毛虫が発生し、その毛虫を嫌がり、毎年消毒や駆除が行われている桜の木。


ところが、当事者のサクラは、ケムシを嫌がっていないどころか、むしろ積極的に葉っぱを食べさせているのだとか。


むしろ、葉をケムシが食べてくれないと困るサクラにとって、ケムシの駆除のために枝ごとバーナーで焼かれることは、ケムシどころか花も咲かせることができなくなる理不尽で酷い扱い。


そんな人間の思い込みによる愚かな善意を嘆くだけでなく、筆者がこの本を通して伝えたかったのは、「はじめに」の終わりに書かれたこの言葉なのではないかと思う。

 『一寸の虫にも五分の魂』ということわざのとおり、虫だけでなく、樹木にも生き物としての存在理由があり、私たちはおおいに恩恵を受けているのです。



その筆者の思いが、本書に書かれた具体的な都会の木のおかれている状況や、各地の木の様々なエピソードを通して伝わってくる一冊。

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◆『かあちゃん取扱説明書』 いとう みく著 (童心社)



誰もが思い当たることが書かれているんじゃないかと思えるほど、親近感、既視感を覚える本。


長男にもすすめたところ、読み終わった途端に「うちの場合は、とうちゃんの取説だね」と言ってきて、二人でニヤリ。


クスッと笑える面白さだけでなく、家族への理解や愛おしさも深まり、なかなか感じ入るところがある内容で、場合によっては職場の人間関係にも役立ちそうなコミュニケーションのコツまで掴める一冊。

 

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2015年12月 7日 (月)

ラブちゃん改め、ツナちゃんに

いつも寝かしつけている、よしくんお気に入りのラブちゃん。
(「寝かしつけ」の記事はコチラ →









そのラブちゃんに服を作ってほしいと何度もお願いされ、その度に、こんど時間がある時にね~と返していたけれど、ちょっと帰りが遅い日が続いて、よしくんが荒んできたこともあり、先月たまたま時間が少しできた時に「今日はいまから服作り!」とよしくんに宣言。



予定していたわけではなかったので、家にある端切れの中から服にしたい生地をよしくんに選んでもらいつつ、私はだいぶホコリをかぶったミシンを取り出す。



よしくんが選んだのは、そのよしくんがまだお腹の中にいた時、私が一目惚れして思わず買ってしまった可愛らしい模様のガーゼの生地。懐かしい生地との再会に胸がキュン。



それにしても、実は人形の服なんて作ったことがない私。宣言したものの、どうしましょう?



ちなみに、よしくんが私に人形の服を発注したのは、手作りの服を着たウサギのフレッドの写真を見たから。でも実はその服を作ったのは私ではなく、あの人。(その時の記事はコチラ →



裁縫より工作の方が得意だけれど、布も紙も同じようなもの!と勢いで臨んだ服作りは、袖まわりと襟まわりの処理がよくわからず、すぐ頓挫。



それでも、型紙も作らず思いつくままに作った服は、およそ1時間ほどでなんとか完成~!









なぜなら、悩ましい袖や襟はやめたから(笑)。できたのは、スカートに胸あてをつけたワンピース。以前買ったものの、しまいこんでいたリンゴボタンもついに使い道が見つかる!









さっそく服を身につけたラブちゃんを抱きしめ、良かったねえ良かったねえとすりすりする、よしくん。



そしてその夜、「お母さん、ラブちゃんの名前変えてもいい?」と言って、ツナちゃんと命名。



もともと、私がよしくんに頼まれて付けた名前がラブちゃん。
やはり、「自分のもの」という感覚が強くなると、自分で名前を付けたくなるものかしら。なぜ、ツナちゃんなのかはナゾだけれど。



名前をつけて愛おしさが増したツナちゃんと、今月発熱して保育園を休んだ日に飾り付けをしたクリスマスツリーの前で記念撮影。









当時、ミシンでフレッドの服を作ったり、生まれたばかりの弟に小さなまくらなどを作っていた「あの人」も加わる。









だれ(なに)かを大切に思い、愛おしむ気持ちは、それを失った時の悲しみを思うと、その気持ち自体怖くなることもあると思うけれど、それでもこれからも大事にしてほしい。



大人も子どもも。自分に対しても。






みんなも、「ツナちゃん」。







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2015年12月 4日 (金)

穴と言えば……


もう12月。



今年を漢字一字で表すとしたら、



「失」。



この一年は、喪失感、失望、失敗の連続だった。











この12月下旬に、小学生の野球チームを卒団するとしくん。




そんなとしくんのユニフォームは、つぎはぎだらけ。




繕っても繕っても、すぐにあく穴。




新しいユニフォームも買ったのに、穴のあいたユニフォームだからいいんだと、




毎回、穴を塞ぐよう頼まれ、つぎはぎの上につぎはぎ。




人の心も同じ。




生きていれば、穴があく。




誰かに繕ってもらう穴、自分でふさぐ穴、放っておく穴、自然に縮まる穴。




いろんな穴。




穴があくことで、その穴を通して見えなかったものが見えてくるということもあるし、




誰かに繕ってもらうことで、他者への感謝が芽生えることもある。




穴のない人生は、きっとない。




ところで、




「穴」と言えば、思い浮かぶのは、




「アナと雪の女王」……^_^; 。




そして、「アナと雪の女王」と言えば、Let it go。 自分を解き放とう、ありのままの自分でいいのだからと、多くの人があの主題歌に勇気づけられた。



Let it go と言えば、同時に思い出されるのが、Let it be。こちらは、あのビートルズの名曲。




ビートルズは、無理しなくていい、そのままの自分でいいんだよ、と多くの人をいたわった。




いろいろ盛大な穴が次々あいたこの一年は、




まるで、としくんのユニフォームのよう……。




ありのままで、そのままでいるのもいいのだけれど、




自分で繕えそうな穴はふさぎたい。




また来年、がんばってみようかな。





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